2025年 大阪・関西万博アテンダントユニフォーム
チクマが製作に携わった万博のアテンダントユニフォームとアップサイクル事例をご紹介いたします。
パナソニックグループパビリオン「ノモの国」
EXPO2025 スタッフのユニフォーム

ノモの国は、「物と心が共に豊かな理想の社会の実現」を目指すパナソニックホールディングス株式会社が出展するパビリオンです。
「モノの捉え方はココロの持ちようで大きく変わる」いわば「モノとココロは写し鏡のような存在である」という考えからノモと名付けられ、α世代の子どもたちにモノとココロ、自分と世界もひとつのつながりだと感じてもらう体験を提供します。
パビリオンの世界観を表現するユニフォームは、ノモの国の住人であるスタッフの安全性を考慮し、動きやすく機能的なデザインです。アイテムは8つで、半袖シャツ、七分袖シャツ、ベスト、ジャケット、パンツ、帽子、カバン、レインコート。雨の日も使いやすい裾丈、暑い日も通気性を調整できる開閉可能なベンチレーション(通気口)など着用時の使い心地にも配慮しました。
DEI(Diversity、Equity&Inclusion)の観点から、車いすでも脱ぎ着がしやすい形状、ジェンダーの区別なく自由に組み合わせられるアイテム展開が特徴です。
「人によって見方が変わるデザイン」を採用、見る角度や着こなしによって、色合いや形が変化する新感覚のユニフォームです。「軽やかで風にゆれる形状」、「左右の非対称性」、「既存の型を崩した有機的なライン」、「ファサードを想起させるオーロラカラー」を採用し、多面的で複層的な印象を与えます。 性別、年齢に関係なく、誰でも着用できるインクルーシブなデザインです。
機能面では、接触冷感、紫外線対策などの暑熱対策を考慮、植物由来原料を使用した素材で、制作時から再利用を想定した循環型のユニフォームです。
関西電力グループ
EXPO 2025
VIPアテンダントスタッフのユニフォーム

関西電力グループは、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)において、水素発電などによるゼロカーボンの電力を会場に供給するなど、未来社会の「あたりまえ」を創るために様々なプロジェクトに取り組んでいます。
企業、団体のお客様が関西電力の取組みを視察するためにご来場される際、万博会場内の各所をご案内、説明を行うのがVIPアテンダントスタッフを務める関西電力社員です。
パビリオン内での勤務と異なり、屋外を移動しながらのご案内業務のため、シンプルでありながら視認性に優れたデザインで、シワになりにくいイージーケアのユニフォームが求められます。
爽やかな印象を与える白をベースに、アクセントに襟、腰ポケット、袖口に濃紺の配色を施しています。
素材はUVカット、透け防止、吸水速乾、接触冷感、2WAY ストレッチ、ポリエステル100%トリコットを採用しました。長めの着丈で腰回りがすっきりとしたシルエットです。

首元にはネクタイ風のリボンをあしらうことで、VIP のご案内に対応できるしっかりとした印象を、関西電力グループのブランドステートメント「power with heart」のロゴに使用されているエンパワーリングオレンジとネイビーとの配色で、若々しい印象を与えるデザインとしました。
TIS
EXPO 2025 大阪・関西万博
アテンダントスタッフのユニフォーム
 
TIS インテックグループのTIS 株式会社は、大阪ヘルスケアパビリオンにスーパープレミアムパートナーとして協賛し、大阪ヘルスケアパビリオンの体験で活用する健康データを管理するヘルスケアプラットフォームと、体験後もアバターや健康データを残すことができる公式アプリを提供しています。
アテンダントスタッフのユニフォームは、TISインテックグループのコーポレートカラーを基調に、イメージキャラクターである「IT で社会の願いを叶える『魔人カナエッティ』」をモチーフにしたターバン風の帽子が印象的なオリジナリティに溢れるデザインです。

ジャケットは男女兼用で「和」をイメージしたアシンメトリーな前合わせの仕様、身頃のオーシャンブルー、衿・袖裏のインテリジェントグレーで構成されており、袖にはTIS のロゴマークがあしらわれています。前後のパーツは、大阪ヘルスケアパビリオンのロゴマークカラーをグラデーションで表現しています。ポリエステル100%で家庭洗濯OK、速乾性に優れシワになりにくいイージーケアな素材です。
ボトムは帝人フロンティアのポリエステル100%パミオストレッチヘリンボンを使用し、メンズパンツ、レディースパンツ、スカートの3種類から選択できます。

その他のアイテムも、TISのロゴマーク、カラーをモチーフに全体のコーディネートがバランス良く構成されるように デザインされています。


関西パビリオン
EXPO 2025
スタッフのユニフォーム
 
「いのち輝く関西悠久の歴史と現在」をテーマにした関西パビリオンは、滋賀、京都、兵庫、奈良、和歌山、鳥取、徳島、福井、三重の9府県が出展し、日本の歴史上大きな役割を果たしてきた関西地方の魅力を発信します。
関西全体を表現する展示エリア「大関西広場」のアテンド業務を担うスタッフのユニフォームは、日本の伝統的な市松模様をベースにポップな色合いのプリント柄で、お祭りである万博の楽しさを表現。ひとつひとつのマス目をぼかし、関西パビリオンに出展する各府県の県(府)章を配置し、特色ある府県同士のグラデーションのようなつながりを表現しています。


会期の暑さ対策で、丈の短いクロップドパンツを採用。シボ感のあるポリエステル素材で肌触りが良く吸汗速乾性に優れており、センター切り替えのパターンで洗濯の後にクリースを作るためのアイロン掛けが不要です。

素材はポリエステル100% サッカー。イージーケア、通気性、形態安定性、吸水速乾、2WAYストレッチ。
-万博アテンダントユニフォーム アップサイクル-
チクマはユニフォームを作るだけではなく、リサイクルやアップサイクルも行っています。
大阪・関西万博 パナソニックグループパビリオン
「ノモの国」
①産学共創・端材活用のアップサイクルプロジェクト
『 HAZAISON 』に参加
今回の『2025 年日本国際博覧会(略称:大阪・関西万博)』では、世界中の人々がアイデアを交換し、未来社会を「共創」(co-create) する場、人類共通の課題解決に向けて先端技術などの世界の英知を集め、新たなアイデアを創造・発信する場となることが期待されています。
チクマがユニフォームをお手伝いさせて頂く事が出来ましたパナソニックグループパビリオン「ノモの国」でも、そうした共創活動のひとつとして、大阪大学とのアップサイクルプロジェクト『HAZAISON 2024(ハザイソン 2024)』を実施されました。
アップサイクルプロジェクト「HAZAITHON2024」では、「ノモの国」の構築時に発生した端材( ファサード膜) を活用し、万博での活用を視野に入れた価値のある商品に生まれ変わらせるアイデアコンテストを上田安子服飾専門学校(大阪・梅田)にて実施し、チクマも審査員としての参加と最優秀賞の量産化のお手伝いをさせて頂きました。
パナソニックグループパビリオン「ノモの国」は、建築家・永山祐子氏による設計、デザインです。有機的、かつ幻想的なファサードは、循環を表す立体形状の「モチーフ」を約1,400 個を組み合わせて全体を形成しています。
その約半数にあたる730 個のモチーフのフレームには薄いオーガンジーを張り、風に揺らぐ軽やかで自由な建築を実現し、その時どきの条件でさまざまな見え方を楽しんでもらうデザインとなっています。
 
ファサード膜素材( オーガンジー) の端材
モチーフに張られたファサード膜のオーガンジーは、そのフレームの有機的な形状に合うように裁断されています。
その為、どうしてもオーガンジーの裁断端材が発生します。

アイデアコンテスト
上田安子服飾専門学校(大阪・梅田)で実施されたアイデアコンテストは、多くの応募作の中から、最優秀作品に浜坂寧音(はまさかねね)さんの作品「サスティナブルな未来の風呂敷『BATTAFLY』」が選ばれました。
また、2位の優秀作品には市川愛弓さんの『ノモノバッグ』が選ばれました。


当初、最優秀作品のみを量産化する予定でしたが、優秀作品も素晴らしいアイデアであったことから、2作品とも量産することになりました。
生産は繊福連携( 服福連携)
『BATTAFLY』、『ノモノバッグ』の本生産(縫製)は、就労継続支援B 型事業所で縫製して頂きました。
クラフト的要素の高い「アップサイクル(環境)」の縫製案件、就労継続支援B 型事業所で縫製して頂く事で福祉貢献も同時に行なうことが出来ました。

就労継続支援B型事業所とは、障がいをお持ちの方が、自分の能力を生かしてできる活動を行うこと、通所することで生活リズムを整えること、社会参加をすること、就労に向けての訓練をすることを目的に運営されています。
ラッピング( 包装) にもこだわり
ノベルティとしてお渡しする風呂敷『BATTAFLY』は、ファサード膜の端材から創られているアップサイクル製品です。
それを包むラッピング(包装)も、環境に配慮したアップサイクルな手法で、心を込めてお包み致しました。
包装方法2 種類(材料:ユニフォームの端材と播州織の端材糸)

今回は、パナソニックグループパビリオン「ノモの国」のユニフォームの端材、残布を使ってラッピングしました。










回収・リサイクル実績はコチラ.png)


